沖縄文化論

よん

2008年09月03日 23:37

沖縄文化の実体に触れて本土と比較、対照することで日本文化の根源を探求するという名目の下に、岡本太郎さんが唄や踊り、島酒を楽しむ沖縄旅の様子が綴られています。
(とは言いつつ沖縄文化について真剣に論じられてます^_^;)

沖縄の最小限までに削ぎ落とされた生活の中に古来日本人の本質と極限の美を見出す彼の言葉は、揺るぎない自信の下に語られ無条件に納得させられてしまうような迫力があります。

そしてこの原文は1960年頃に書かれたものですが、40年以上経過した現代に読んでみても、彼が沖縄文化に初めて触れたときの素の感情や指摘事項は、今もって共感できる部分が多くて驚かされました。
アメリカ占領下から現在の急速な開発へと時代は移りつつも、当時にこのような思想を示すことは、かなり先進的であったのではないかと想像されます。

岡本太郎さんと言えば「芸術は爆発だ!」と「太陽の塔」くらいしかイメージのなかったのですが、物事の本質を直感で見抜くような鋭い洞察力が、無類の美意識によって形容された文章として綴られており圧倒されました。

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